全体最適化を実現するSCM
特に製造業においては、SCMの効率化によって業績を向上させることが出来た事例も多く、コスト削減が数十%できたという事例もあります。 SCMプロジェクトは、調達・生産・需要の3要素の情報を集め、各活動にフィードバックする必要があるため、巨大なシステム構築、導入をともなことが多いプロジェクトです。また、各テーマが密接に関わっているため、はっきりと分類することは難しいですが、あえて分類するのであれば、下記のようになります。
情報を管理し、購買・在庫・生産管理などの全体最適化を実現するSCM
サプライチェーン戦略の立案と実現化プランニング
現状の問題点を洗い出し、改善計画を立案します。
サプライチェーンを改革するために、構造立案の段階で現状分析に基づいた「ボトムアップ型アプローチ」と戦略に基づいた「トップダウン型アプローチ」を併用する必要があります。双方のアプローチから構造を性格に見直すことが出来、プロセス全体の改革に繋がります。
ビジネスプロセス全体を改革するためには、まず顧客や社内へのアンケート・業務パフォーマンスの評価・現場へのインタビューなどをして、問題点を分析します。
その結果に基づきコンサルティングファームは改善方法、スケジュールを提案します。
また、そもそも現在の生産・物流拠点は最適かということもこの時点で問い直します。
もしも、再編が必要な場合には、新規拠点の立ち上げから業務手順・組織体制・評価指標を導入・テストを実施しシュミレーションを繰り返します。
国内だけでなく、海外においても生産・物流拠点がある場合にはロジスティック・ネットワークを再検討し、中核拠点を作ったり再編成することもあります。海外への新規参入する場合には、現在ある拠点の利用と新規立ち上げの両方を考慮しつつ、どのようにすれば最適かを検討していく必要があります。
サプライチェーンの予測、計画立案・実績管理
計画と実行の2つの業務プロセスの領域を再設計しシステムに落とし込む。
各業務プロセスを再検討し、より効率的なサプライチェーンを構築する段階になります。
調達・生産・販売流れでは、大きく2つの領域があります。一般的には計画系(プランニング領域)と実行系(オペレーション領域)と呼ばれます。
1つは「プランニング領域」。
この領域では、どのくらいの期間・材料・製造量で出荷・販売するかを計画する領域です。「需要の見える化」「需要変動への対応の迅速化」「リソースの最適調整」「納期回答の精度向上と迅速な回答」などを目的しています。
例をあげると、「日々発生する想定外の業務上のトラブルに対して場当たり的に解決する状況から脱却したい」といケースが考えられます。この背景には「サプライチェーン上のオペレーションが信頼できるデータに基づいていない」といった問題点が挙げられます。
このような問題を解決するために、全体で単一の数字に基づいた需要計画を策定するように変革しシステム導入により、情報の一元化をします。
2つめは「オペレーション領域」
プランニング領域に基づき、実際に行われる活動を改善していきます。具体的な項目として、販売受注管理・購買管理・在庫管理・生産管理・出荷管理といったロジスティック全般に関わる活動です。
例えば、「新しい評価指標に基づき、適切な在庫管理を実現する」といった改善活動を行う場合、単に新しい評価指標を策定するだけではなく、効果的に使用するために高度なモデリング技法を用いたシステムを導入をします。これにより、生産とサービス間での最適なバランスが比較的簡単に実現できるようになります。
物流サービス・物流コスト・在庫の最適化
倉庫内のオペレーション改善と、輸送・配送プロセスの改善
物流プロセスの最適化は倉庫内でのオペレーションプロセス(在庫・出荷管理)と輸送・配送プロセスの2種類に分けることが出来ます。
まず、倉庫内でのオペレーション改善ですが、出荷指示が出てからの在庫の棚卸しから発送するまでを個別に見直し、倉庫内管理システムを再設計します。
倉庫内のシステムを他のSCMやERPシステムと統合する場合もあります。これにより、コスト削減はもちろん出荷・在庫管理の精度を向上することが出来ます。
また、輸送・配送プロセスではTMS(輸送管理システム)を導入するオペレーション改善プロジェクトが多く見受けられます。また、クライアントの業界によってカスタマイズする必要もあります。
トータルシステムの導入によるシステムの全体最適化
ERP同士および各種周辺アップリケーションの統合・結合プロジェクト
ある程度システム導入が進んだ、あるいは大規模なシステム導入をする場合、サプライチェーンすべてに関わるアプリケーションソフトを最適化し、より柔軟に対応できるトータルシステムの導入を行います。
そのためには、アプリケーション(mySAP ERP、Oracle EBS PeoplesoftなどのERPパッケージ)の導入、ERP同士の統合と各種周辺アプリケーションとの連携・最適化が必要になります。
クライアントがERP導入を希望している、既存のシステムをSCM領域にも対応できるように機能拡張を希望している、もしくは他のアプリケーションとの統合を検討されている場合、このようなシステム統合・結合プロジェクトが実施されます。
RFID(無線タグ)の導入
最近注目を浴びているのがRFID(無線タグ)の導入です。
これまで商品を出荷した後、どのような客が購入し、いつ・どのような修理の依頼があり、いつ廃棄されたということはわかりませんでした。
RFIDの導入により、バリューチェーンにおける情報の取得という課題に解決することが出来、たとえば量販店で購入した家電商品に「RFID」をつけることによって、それぞれの商品を”固有の商品”として、製造・修理・廃棄までのライフサイクル全般にわたった情報を把握することが出来ます。
【RFIDの活用例】
●製造(OEM、部品メーカーなど)
リアルタイムな変化を収拾できるようになり、いち早くマーケットの変化をとらえることができます。また、アフターサービス・クレームに対しても迅速に対応でき、コストの最適化にも貢献します。
●販売(OEM販社、量販店など)
短いリードタイムで、売れ筋商品の販促・キャンペーンが可能になり、顧客情報(会員情報)と商品購入情報が正しくひも付くので、延長保証や買い替えの販促などに役立ちます。
●物流
在庫情報が正確に把握できることから、積載効率向上や配送ルートの最適化が図れます。
また、緊急出荷など無駄なコストも削減することができます。
●保守
購入したユーザーの情報とその利用状況を把握できることにより、メンテナンスやリコールなどへの対応の人員配置、コストの平準化、パーツなどの在庫配置の迅速化が期待できます。
アウトソーシング
最近注目を浴びているテーマとしてサプライチェーンの一部のアウトソーシングが挙げられます。
総合系のコンサルティンファアームにおいてもアウトソーシングビジネスによる売り上げも増えてきており、SCMのアウトソーシングコンサルティングの受託もしています。
コンサルティングファームによってはBTO、BPOとも呼びます。
コンサルティングファームがアウトソーシングを受託すると、戦略的なアウトソーシング先の選定だけではなく、オペレーションの集約化や標準化、オフショア化などを行うことで、購買支出の削減効果を実現します。また、会計情報だけでは見えない間接財購買支出の構造を可視化できる効果もあり、内部統制にも貢献します。
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