IBMのPwCコンサルティング買収計画、欧州委員会が承認

ブリュッセル欧州連合（EU）の欧州委員会は23日、米コンピューター大手IBMが、プライスウォーターハウス・クーパース(PwC)の経営コンサルティング部門、PwCコンサルティングを買収する計画を承認した。IBMは７月末にPwCコンサルティングを35億ドルで買収すると発表。計画については、米独禁当局がすでに承認したほか、９月12日にはPwCのパートナーらが採決して認めたため、欧州委員会による承認は、買収実現に向けた最後のハードルとなっていた。
IBMは、情報技術(IT)サービスの分野で、エレクトロニック・データ・システムズ(EDS)などのライバルとの差をさらに広げられることになるが、欧州委員会は、「この業界には十分な選択肢があり、イノベーションが行われている。消費者は引き続きこれを享受できるだろう」とし、計画をあっさりと認めた。
欧州委員会は１カ月間の審査の過程で、IBMが幅広いサービスとハードウエアを抱き合わせ販売できる能力について、同社に質問は寄せた。しかし同社の競争相手や顧客は、買収計画に対して特に反対キャンペーンは行わなかった。
今回の欧州委員会による決定は、コンサルティング部門の強化を狙う他のコンピューター会社にとってもプラスとなる。株価低迷でITコンサルティング会社を買収する費用は大きく減少しており、アナリストの間では、業界再編機運が高まっているとの声が聞かれる。
コンピューター会社は、不振の本業以外の新たな収益源を探っているため、こうした合併・買収は以前よりも盛んになっている。一方、会計事務所は、コンサルティング業務の顧客に対する監査が甘いとの批判から、非中核部門の売却を迫られている。

2002年 12月18日
参照ダウ・ジョーンズ