中小流通業にもやさしい流通BMS対応EDI「UMLaut/J-XML」

 流通BMSへの移行はレガシーからの載せ替えが大きな負担となる。「UMLaut/J-XML」はレガシーを切り離し、豊富なオプションで短期かつ容易な導入を支援する。

●コンサルティング企業が手掛けた流通BMSソフトウェア

 多くの業種へのコンサルティングから生み出された異色の流通BMS対応EDIソリューションがある。戦略的ITプロジェクトを中心としたコンサルティングを得意とするウルシステムズが開発した「UMLaut(ウムラウト)/J-XML」である。2006年度から始まった経済産業省における流通システム標準化事業において、卸売業各社との共同実証で成果を挙げ、製品化後は大手流通業へ提供が行われている。

 UMLaut/J-XMLは、従来のJCA手順による受発注情報の交換だけでなく、ASN(Advanced Ship Notice:事前出荷情報通知)、出荷、検品、請求、支払いに至るまでの受発注業務全般について、約7000パターンの業務フローを網羅し、取引先企業と自社システムとの間のデータ交換の仕組みを構築することができる。また、単に取引先とのデータ交換環境を構築するだけでなく、ビジネスプロセス管理(BPM)を行うことで、メーカー・卸・物流・小売といった日本独自の商流に適合した多種多様な取引形態も実装可能という点が特徴だ。

●流通BMSのメリットだけを引き出したUMLaut/J-XML

 コンサルティングをなりわいとする同社がなぜ流通BMSのプロダクトを開発するに至ったのか。同社ソリューション事業部 事業部長土田浩之氏は、その理由を「金融・通信・公共などさまざまな業種のクライアントへコンサルティングを行う中で、共通課題の多くが受発注業務に起因することが分かったためです」と語る。同社は複数業種の企業へのコンサルティングを通じて従来のEDIではない新たなEDIの必要性を認識し、経済産業省が主導する事業に参加しながら製品の概要を固めパッケージ化していったという。そのノウハウを活用し、新たに流通BMS対応パッケージとして開発したのが UMLaut/J-XMLというわけだ。

 一般的に次世代EDIへの対応は、現状のJCA手順や全銀ベーシック手順、全銀TCP/IPといったレガシーに手を加えて流通BMSへと載せ替える形を推奨しているが、基幹システムとの連携のためのシステム改変などがユーザー企業にとって大きな負担となる場合がある。一方、UMLaut/J-XMLはレガシーとは切り離して別途流通BMS専用のサーバを立て、レガシーをそのまま使い続けながらスケールアウトできるシナリオに従って管理することを提案する。

●中小企業への流通BMS導入を容易にするオプション提供

 流通BMSのメリットは主に3つ考えられる。第1のメリットは伝票レスである。発注、出荷、支払いまでの一連のビジネスフローにおいてデータの一意性が保障されるため、その度に伝票を作成・送付する必要がないことだ。第2のメリットは業務連携のリアルタイム化だ。基幹系を含めた既存の仕組みがバッチ処理業務だったものを、流通BMSによってリアルタイム処理も柔軟に取り込める仕組みとなる。第3にトレーサビリティ(追跡可能性)の確保だ。インフラ基盤に流通BMSを利用することで、商品の動きや請求・支払いはどの発注にひも付いているのかが可視化できるようになる。それらすべての要件に UMLaut/J-XMLは応えているが、それ以外に土田氏は5つのポイントで強みを解説する。以下、順に説明していこう。

1.短期導入

 流通BMSは可変性・可読性・開発生産性の高さを特徴としているが、XMLフォーマットを使いこなすスキルと業務システムとのデータマッピングが前提となる。これは想像以上に高いハードルで、中小企業への流通BMSの普及を阻害している一因ともなっているという。流通システム開発センターが提供する流通 BMSの導入ガイドラインでは、プロジェクト開始からサービスインまで「目安として半年程度の期間が必要」としているほどだ。

 UMLaut/J-XMLはCSV形式で取り込んだファイルを自動で流通BMSのXMLフォーマットに変換するほか、業務アダプターおよびオプションの簡易導入パッケージ「UJX-Starter KIT」により、発注・出荷・受領・返品の4メッセージについて基幹業務システムとの連携開発を容易にする。「基本設計から詳細設計、開発、構築、テストまでの通常4カ月要する期間を約半分の2カ月に短縮し、開発費用の削減と短期導入を可能にしています」(土田氏)

2.中小企業における流通BMS化の促進

 流通BMSに対応するには、流通システム開発センターから提供されている分厚いガイドラインを読み込み、ツール類を活用するための勉強が必要とされるが、中小・零細企業にとっては大きな負担になることは確かだ。そこで、UMLaut/J-XMLのオプション「UJX-Direct MFP」は、インターネット接続されたリコーの複合機を使って流通BMS導入を容易にする。主に電話やFAXで受発注を行う中小の卸売業や製造業も、普段使っているコピー機ならば抵抗感は少なく、出荷伝票や請求明細を容易に返送することができる。

 また、別のオプションの「UJX-Direct WEB」はWebブラウザ対応EDIを支援するツールだ。EDIソフトやデータはサーバ側で管理し、Webブラウザから基幹システムにASNを返すことを可能にすることで、EDI化が難しかった中小企業に対しても通信設定やテストの作業負担を軽減できる。また、Webの取引データと流通BMSの取引データとを一元管理できるため、日常使用するPC以外にiPhoneなどのスマートフォンでも閲覧・運用が可能になる。

3.豊富な導入実績

 既に大手を含め150社以上の流通業へUMLaut/J-XMLを導入しているという土田氏は、「過去の多様な導入実績から編み出した独自のヒアリングシートを用いて、事前にEDIに関する企業の悩みやつまずく点を洗い出すようにしています。そうすることで、事前に接続時のトラブルを回避し、効率的な運用を支援できます」と話す。この点もコンサルティング企業ならではのアプローチといえるだろう。

4.流通BMSの仕様変更への対応

 流通BMSのバージョンアップに対しては、機能改修による対応ではなく製品アップグレードで追従していくため、ランニングコストを抑制しつつ最新のXML-EDIフォーマットでの運用が可能となる。

5.伝票明細トレース機能

 受注から物流・決済に至る一連の取引で発生する伝票明細の変化を常に監視・記録し、その情報を追って確認するための「伝票明細トレース機能」を標準で用意している。

●UMLaut/J-XML導入事例ハイライト

<タカキベーカリー>

 インストアベーカリーの「アンデルセン」や冷凍パンシステムを生かした「リトルマーメイド」などを全国に展開するアンデルセングループの中核企業タカキベーカリー。同社は小麦や卵、乳製品などの原材料流通を可視化し発注管理を実現するシステム環境を整備するため、2008年1月からUMLaut/J- XMLを用いた流通BMSによる取引を開始した。UJX-Starter KITを活用することで、EDIシステムを約2カ月で開発。従来のJCA手順では実現できなかった在庫管理や温度管理などのトレーサビリティ基盤を強化し、絶え間ない取引先企業との個別対応のシステム開発の課題も解決したという。

<大阪商工会議所>

 全国地域VAN事業者協議会の代表理事であり、大商VAN-BMSサービスを提供する大阪商工会議所は、近畿エリアの約1800事業所の中小流通業者を対象に、2008年9月から流通BMS対応のVANサービスを提供。そのASP基盤にUMLaut/J-XMLが活用されている。発注量が少ない中小流通業企業は、個々にEDIシステムを構築して運用するにはコスト負担が大きく、導入が進まないという課題があった。そこでウルシステムズでは、 UMLaut/J-XMLのクライアントソリューションと、UJX-Direct MFPおよびUJX-Direct WEBによるASPサービスで中小企業向けのソリューションを安価に実現した。大商VAN-BMSのほか、宮崎のひむか流通ネットワークや高知流通情報サービスといったVAN事業者にもUMLaut/J-XMLは全面採用されている。

●EDIを超えてSCMへ

 土田氏は現在流通業界が抱える2つの課題について問題提起している。その1つは、効果的なSCM(Supply Chain Management)を実現できていないことだ。土田氏は「流通BMSの策定により企業間データ交換の基盤はできつつありますが、それは単にデータ交換であって本来のSCMの実現には至っていません。効率的な発注・在庫管理・生産管理のためには、さらに密な企業間連携が必要です」と強調する。

 また2つ目は、業務システムの構築と維持にコストと時間がかかり過ぎることだ。「自社開発すると2、3年の期間と膨大な開発費が必要で、小さな業務変更によるシステム改修でも変更個所が広範囲に及び、高額の費用が掛かってしまうのが問題です」(土田氏)

 そこで同社は、企業内・企業間のデータ交換だけではなく、各企業の業務システムを低コスト・短期間で構築・維持し、メンテナンス費用も削減できるSCM を目指し、リアルタイムにトランザクション連携する流通業務システム基盤の製品化を考えているという。この業務システム基盤の上に在庫管理、発注業務、受注業務の各ロジックを載せることで、卸売企業に小売企業からの発注データが着き次第、在庫の引き当てと受注処理を行ったり、卸売企業の商品マスターにデータが登録されたら自動的に小売企業のマスターにも同じデータが登録されるといった連携を想定している。

 「結局のところ、流通業は伝票と明細であり、それら大量の取引データをリアルタイムかつ高速に集約し、カテゴライズできる仕組みが求められています。そんな流通業特有の処理を実現するミドルウェアの開発を今後も進めていきたいと考えています」(土田氏)。今後、流通業の業務をどのように効率化していけるのか、ウルシステムズらしいアプローチに注目したい。

2010年 5月10日
参照TechTargetジャパン

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