日本マイクロソフト、salesforce.comからDynamics CRMへの移行支援などビジネス概況を説明

日本マイクロソフト株式会社は8日、CRMソフト「Microsoft Dynamics CRM」の世界および日本でのビジネスの実績や導入事例、2011年11月に実施する機能強化概要などを発表した。

 Dynamics CRMは、日本では3年前にパッケージ版の提供を開始し、2011年1月にオンライン版「Dynamics CRM Online」の提供を開始している。その現在の状況について、米MicrosoftのCRM Sales Enablement Leadであるチャド・ハンブリン氏は、「Dynamics CRMは80カ国、40言語に対応し、200万を超えるユーザーが存在する。オンライン版も米国では3年前から提供している。データセンターについても、北米、欧州、アジアと全世界に設置している。中小企業が利用できるのはもちろん、最近では複雑な要求をする大規模ユーザーにも対応している」と説明した。

 ワールドワイドの実績としては、米国で企業向け不動産事業を展開するJones Lang LaSalleが、導入後2年から2年半の間に、約4000万ドルのコスト削減を実現するなどの実績も出ているという。

 「当社ではクラウド事業として、データセンターなどのインフラソリューション、クラウドプラットフォームであるPaaS事業、CRMなどのクラウドで提供するアプリケーションという、3つすべてを手掛けている。ひとつの会社で、クラウドにかかわる柱となるソリューションすべてを提供しているのは、Microsoftだけだ」(ハンブリン氏)

クラウドベースのCRMを提供する先行企業としては米salesforce.comがあるが、ハンブリン氏は同社とMicrosoft製品との違いについても言及した。

 「日本では競合製品を名指しした比較は少ないかもしれないが、米国で明確な比較を好む傾向にあり、日本でも比較して説明を行う。まず、100万ユーザー達成にどれくらい時間がかかっているのかの比較では、salesforce.comは9年なのに対し、Dynamicsは6年。提供する言語はDynamicsが41で、salesforce.comが11。ローカルな支援体制としても、Dynamicsが82カ国であるのに対し、salesforce.comは20カ国にとどまる。開発者の数、RD投資などにも違いがある。最近、Dynamicsは大手企業の導入が増えているが、オンプレミス、クラウドの両方を提供していること、WordやExcelとの連携などで生産性が高いこと、企業としての安定性が指示されていることなどがその要因となっている」。

日本での導入状況については、「日本では今年1月にオンライン版、2月にオンプレミス版の提供を始めたが、以前のバージョンも含めて約400社の企業が利用している。オンライン版でも100ユーザーの大規模導入から、試験的な導入も多く進んでいる。オンラインが出ることでセールスサイクルが短くなり、垣根低く、取りあえず導入することが可能になった」(日本マイクロソフト Dynamicsパートナー営業部プロダクトマネージャーの宇根靖人氏)という。

 日本でもsalesforce.comからの移行が増加しているとして、物流サービス業の株式会社エーアイテイー、電子部品製造販売の岡谷エレクトロニクス株式会社、工業用部品販売会社の3社を具体例として紹介した。

実際に岡谷エレクトロニクスの移行支援を行い、独自の導入支援サービスを行っている株式会社シーイーシー 第一ソリューションサービス事業部 ビジネスソリューション部の木村守宏部長は、「当社は独自開発のSFA提供からスタートし、現在ではお客さまに最適なCRMの提供とそのツールの特性を最大限に生かすための支援などをビジネスとしている。CRM導入は、最初はとにかく使ってみる。小さくスタートし、社内ルールを決めた上でより大きく育てるという3つのポイントをクリアすることが、時間はかかるものの結局は導入の早道となる。とはいえ、簡単に始めるにはいろいろと壁もあることから、導入のためのサービスを用意している」と説明した。

 同社は、導入ノウハウを凝縮した「かんたん導入パック」、salesforce.comからの移行を支援する「SFDC移行サービス」、運用の問題解決を行う「インシデントサービス」という3つのサービスメニューを用意。岡谷エレクトロニクスは、1カ月でDynamics CRMへの移行を完了し、ランニングコストの削減も実現したという。

 Microsoftではこうしたパートナー経由でのサービス拡充とともに、製品強化として年に2回のオンラインサービス版のアップデートを実施し、その後、その機能をパッケージ版にも反映させることを決定した。

 「2011年11月にサービスアップデートとして機能強化が実現する。これを機に、1年に2回ペースでアップデートを行う。アップデートの内容についてはリリース前に内容をきちんと発表し、その後、向こう3年間の開発方針を発表する。また、日本語ドキュメントもきちんと提供していく」(宇根氏)。

 11月のアップデートでは、(1)Office365とのさらなる統合、(2)大規模クラウド対応、(3)既存機能の強化、(4)ソーシャル対応の4ポイントを中心に機能を強化する。
 Office 365との統合については、両製品のIDの統合、請求先の統合など管理者向けの機能が強化されるほか、Outlookのメールを見る感覚で顧客情報の確認ができる機能や、Lyncとの連携により社内の情報共有が行える仕組みなどを提供する。

 大規模クラウド対応としては、アクティブディレクトリ経由でのシングルサインオンが可能となるほか、第三者機関の認定に基づいた信頼性の強化などが実現した。

 ソーシャル対応は、今回を第1弾としてソーシャルライクなウォールへの情報の張り付け、そこからのリンク、Windows Phoneとの連携などを実現。今後、ソーシャルモニタリングやモバイルデバイスとしてAndroid、iOSへの対応などを予定している。

2011年 11月9日
参照クラウド Watch

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