新事業創出へ集約　ＭＭ２１でＮＴＴソフト横浜事業所稼働　国内最大級のフロアに１０００人

ソフト開発のＮＴＴソフトウェア（東京都港区）が、県内４カ所に分散していた事業所を横浜・みなとみらい２１（ＭＭ２１）地区に集約した新オフィス「横浜事業所」が８月から稼働した。サッカーグラウンド並みという広いオフィスで社員間のコミュニケーションを活性化させ、新ビジネスを生み出す効果などに期待している。

　同社は１９８５年に横須賀市で設立され、８７年から２００５年までは横浜・関内に本社があった。新事業所は、横浜ジャックモール跡地のオフィスビル・横浜アイマークプレイスの１２、１３階に開業。国内最大級という広いフロアに本社機能の大半のほか、関内や横浜駅西口、横須賀に分散していたセキュリティー、メディア、クラウド、ネットワーク、モバイルといった同社の主力事業が集約され、全社員の３分の２に当たる約千人が勤務する。

　山田伸一社長は「移転を機に社内の文化を変えようと思っている。社内のコミュニケーションを活発にすることでアイデアを吸い上げたい」と強調。社員の約８割が理系という同社は、これまではエンジニアがパソコンの前でそれぞれ仕事に没頭したり、議論は各事業所や会議室の中にとどまる傾向があったという。

　ワンフロアに多くの社員が集まる新オフィスでは、中央の吹き抜け部分にコミュニケーションスペースを設けるなどの工夫を凝らす。

　ソフト開発業界は、官公庁や企業からの受注で大型・長期で単品開発に取り組むスタイルから、不特定多数の利用者を対象にしたパブリッククラウドを活用して、顧客の課題解決や要望を満たすソリューションを提供するスタイルへの転換が進む。近年はメールなどのセキュリティー対策や、クラウド管理、グループチャットなどサービスが多様化。山田社長は「市場動向を考えると、ソリューションの拡大を加速させ、アイデアを素早くビジネス化する必要がある」と話す。

　１０月からは、社内に新組織「戦略ビジネス特区」を立ち上げ、社内ベンチャーをスタート。今後５年で１０億円規模の新ビジネス創出をもくろんでおり、山田社長は「今までは、これはうちの仕事ではないから、とつぶされてきた新技術やビジネスの種がまだまだ社内に眠っているはず」と、新オフィス移転を機に新事業への取り組みを強化する。

2014年 10月3日
参照カナロコ

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