【アクセンチュア】女性管理職育成には「無意識の偏見」の排除も重要

2015年7月15日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開幕した企業の人事・組織戦略・人材関連サービスのための専門イベント「ヒューマンキャピタル2015」のセミナーとして、アクセンチュア 執行役員 インクルージョン＆ダイバーシティ統括の堀江章子氏が登壇し、「アクセンチュアが実践する、女性リーダーの育て方〜インクルージョン＆ダイバーシティが強い組織をつくる〜」と題した講演を行った。


　アクセンチュアの東京オフィスでは約5800人の従業員のうち女性は約1000人強で、約32万人の従業員のうち女性が約3分の1を占めるグローバルのスタイルと相似形にしていきたいと堀江氏は語る。

　そのために、男性と女性のリーダーにどのような特徴があるのかを調べる「リーダーシップ・サーベイ」を行った。同じオフィスで共通項の方が多いものの、女性の方は信頼と尊敬に基づいた長期的な人間関係を社内外で構築できることや、いろいろな人の意見を聞いて活用できるといった特徴があり、男性はビジネス戦略や優先事項をより理解しているという特徴を見いだしたという。

　一方で、環境変化に柔軟に適用できることや、変化を見極める能力など、ダイバーシティー（多様化）に必要となる基礎的な共通項は持ち合わせていることがわかった。こうした特徴を見ながら、どういった強みを持ち合わせている人をリーダーとして育成していくかを判断し、進めていったと堀江氏は語っていた。

　KPI（重要業績評価指標）を設定し、女性が働きやすい環境や制度を整えながら戦略的に女性管理職を増やしていくなかで、阻害する要因となるものの一つに「無意識のバイアス（偏見）」があるという。

　「女性にはこういう仕事をさせるべきではない」といった無意識の職業観があり、管理職に引き上げるために必要な仕事につけずらいといった課題も浮き彫りになった。そこでリーダーシップ意識調査を行い、無意識でバイアスを持っていることを浮き彫りにし、それを取り除くトレーニングなどを行うなどの取り組みについて紹介していた。

2015年 7月17日
参照nikkei BPnet