【プライスウォーターハウスクーパース】米ネット広告、今年も2桁成長で過去最高となる見通し

米国のインターネット広告業界団体インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー（IAB）と米プライスウォーターハウスクーパース（PwC）がこのほどまとめた調査リポートによると、今年上半期（1〜6月）における米国インターネット広告の売上高は275億ドルとなり、過去最高を更新した。


6年連続の2桁成長へ

?これは昨年上半期の231億ドルから19％多い金額。またこの金額は昨年下半期（7〜12月）の264億ドルをも上回っている。過去10年の傾向を見ると、米国のネット広告売上高は毎年、下半期のほうが多くなる。

?このことから、年後半もこのままのペースでいけば、今年の年間売上高は過去最高を記録した昨年実績を上回ると、IABは予測している。

?10年前に125億ドルだった米国ネット広告の年間売上高は、2007年に200億ドル超、2011年に300億ドル超、2013年に400億ドル超と推移し、昨年は過去最高の495億ドルとなった。

?そして今年も上半期のペースを維持すれば、再び過去最高を更新し、6年連続の2桁成長を達成する見通しという。

モバイルは54％増、ソーシャルは51％増

?今年上半期の売上高を広告の種類別で見ると、「検索広告」が101億ドルで最も多く、全体の37％を占めた。また「モバイル広告」は82億ドルで、その市場全体に占める割合は30％。

?「ディスプレー関連広告」（バナー、デジタルビデオなど）は68億ドルで同25％。「クラシファイド広告」（求人や不動産などの案内）は15億ドルで同5％だった。

このうち急成長しているのはモバイル広告で、その売上高は1年前の53億ドルから54％増となった。検索広告は同11％増と比較的小幅な伸びだが、100億ドルの大台を突破しており、依然堅調だ。


?またディスプレー広告カテゴリーのデジタルビデオも同35％増と高い伸びを示している。一方でディスプレー関連広告全体は、同5％増と小幅な伸びにとどまった。

?なおIABは、これらのカテゴリーとは別に、ソーシャルメディアのデータもまとめている。それによると今年上半期のソーシャルメディア広告売上高は44億ドルとなり、1年前の29億ドルから51％増えた。

?IABが定義するソーシャルメディア広告とは、SNSやソーシャルゲームといったサービスのウェブサイトやアプリに配信される広告。パソコン（デスクトップとノートパソコン）、スマートフォン、タブレット端末を含むあらゆる機器に配信されるものを指している。

支出が多い業種は、小売り、金融、自動車

?このほか、IABはインターネット広告への支出が多かった業種のランキングもまとめている。

?それによると、最も多かったのは「小売り」で、ネット広告支出額全体の22％を占めた。これに次いだのが「金融サービス」と「自動車」で、支出額比率はそれぞれ13％。

?また「通信サービス」と「レジャー・旅行」はそれぞれ9％。このあと「消費者エレクトロニクス製品／コンピュータ」が7％、「消費財（食品・日用雑貨）」が6％で続いた。

2015年 10月22日
参照JBPRESS