日本オラクルは12月8日、都内で開催中の自社イベント「Oracle Cloud Days Tokyo」にて、サプライチェーンマネジメント(SCM)製品の最新版「Oracle SCM Cloud」を発表した。土台から作り直したクラウド業務アプリケーションとなり、新モジュールとして需要計画と生産管理を追加、クラウド時代のSCMを実現する。
SCM Cloudについて説明した米Oracleアプリケーションズ・ディベロップメント SCMエグゼクティブ・オフィス シニアバイスプレジデントのRichard Jewell(リチャード・ジュウェル)氏はまず「SCM Cloudの開発の着手は他のアプリケーションより遅かった」と明かす。理由は、当初はまだ「SCMをクラウドで」という概念が市場では薄かったためだ。だが、2015年の調査では「SCMをクラウドに実装中・1年以内に実装する予定」と回答した企業は80%、4年前の20%から逆転現象が起きているという。機は熟したというわけだ。
戦略としては、まず製造業とハイテク向けの機能を提供、その後サプライチェーンにより価値をもたらすモジュールの提供を進めていく。
開発コンセプトは包括性、品質、スピードだ。「土台から開発しなおした。他社のように(オンプレミスの)既存のアプリケーションを取り出してクラウドにのせたのではない」とJewell氏。クラウド向けにコードを書き換えたという点は、11月に米サンフランシスコで開催された「Oracle Open World 2015」で同社の共同設立者でCTOを務めるLarry Ellisonも「10年がかりでコードを書き換えた」と強調していた。
コードを書き換えることにより、ソーシャル機能との統合、役割ベースのダッシュボード、コンシューマーレベルのユーザー体験など最新の技術を活用できたという。ユーザー体験の例として「Visual Navigation」を紹介、データと相関関係をビジュアルに表示することで次にとるべきアクションがすぐに把握できるほか、タブレットやスマートフォンにも対応する。拡張や構成も強化しており、物理的なフローと財務フローを分離することで、構成・拡張として、オーダー管理の部門間連携、サプライチェーンの社内外との連携、サプライチェーンの会計連動も実現するという。
具体的な製品としては、すでにリリース済みの調達・購買の「Oracle Procurement Cloud」、在庫管理と会計管理を統合する「Oracle Inventory Cloud」と「Oracle Cost Management Cloud」、物流の「Oracle Transportation Management Cloud」、貿易にまつわる各種規制遵守のための「Oracle Global Trade Management Cloud」、製品ライフサイクル管理(PLM)の「Oracle PLM Cloud」と「Oracle Product Master Data Management Cloud」に加えて、新たに3つのモジュールが加わった。「Oracle Order Management Cloud」「Oracle Planning Central Cloud」「Oracle Manufacturing Cloud」だ。
Order Management Cloudは、発注管理として受注生産、仕入先直送などさまざまな形式に対応するもので、顧客の獲得から納期回答、オーダーフルフィルメント、そしてパフォーマンス分析などのための機能を盛り込んだ。Oracle Cloud製品との連携はもちろん、レガシーシステムやEDIもサポートするという。
Planning Central Cloudは、計画立案、実行監視、差異対応と一貫したプロセスフローを実現するための機能を備えた。
Manufacturing Cloudは、部品投入計画、製造工程手順書の計算、作業指示書の発行、そして工程プロセスを視覚的にモニタリングできるもので、作業の進捗を把握したり製造コストの分析によるコスト抑制などが可能になるという。
Jewell氏は中でも、従来のオンプレの製造向けアプリケーションはアウトソーシングよりもインハウスが主流だった時代に設計されており、アウトソーシングは追加的な拡充機能にとどまっていたのに対し、Manufacturing Cloudでは最初からコアに組み込んだ点に触れた。これもコードを買い換えることで実現できたという。
これらの包括的な製品を揃えることで、受注管理と受注構成管理の統合により受注組み立て型生産が可能になる、購買管理と販売管理の連動による外注生産フローを実現するなどの業務統合が考えれるという。
Jewell氏はこれらを説明した後、分析用KPIとダッシュボード、予測分析、統合などの機能を土台に組み込んだ点、生産性の改善へのフォーカスとともに、標準化のアプローチによるメリットを強調する。「カスタマイズではなく設定の柔軟性を提供する。ユーザーが各ユーザーに向けて設定し、PaaSを利用してシステムを拡張できる」とJewell氏。SaaSに加えてPaaS、さらにIaaSを提供するOracleならではの強みをアピールした。
SCM Cloudは年2〜3回のリリースにより最新機能を素早く提供する。顧客はこれをある程度段階的に導入できるとJewell氏。既存のオンプレミスの補完として、あるいは置き換えなど、さまざまなロードマップをサポートしていくという。
2015年 12月10日
参照ASCII.jp
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