【 カート・サーモン】米年末商戦、オンライン購入商品の配達に遅れ

クリスマスプレゼントをインターネットで購入しようとしている人は、直前まで待たない方が賢明かもしれない。

　小売りコンサルティング会社カート・サーモンによると、通販サイトの書き入れ時であるサイバーマンデー（感謝祭明けの月曜日）にオンラインで注文した商品が届くまでの日数は平均約7日と、前年より20％長かった。さらに、1回の注文で発送された商品数は2.6個で、前年を上回った。

　カート・サーモンでサプライチェーンについて小売業者に助言するスティーブ・オズバーン氏は、無料配送を提供する小売業者がより低価格で到着までに時間のかかる発送方法を選ぶ傾向があることが配達日数の長期化に寄与しているとの見方を示した。無料配送を提供する小売業者は90％と、前年の15％から急増した。

　大手小売りチェーンから小規模のオンライン店舗まで62社を対象としたこの分析では、米宅配・航空貨物大手UPSの地上配送が予想外の9％も遅延していることも明らかになった。配送網にすでに負担がかかっている様子がうかがえる。

　オズバーン氏は「UPSとフェデックスのいずれも、小売業者の必要性に応じて一定の配送能力を構築している」としつつ、感謝祭の週末は「オンラインでの売り上げが小売業者の想定以上に多かった」と指摘した。

　米国の4500のウェブサイトでの販売動向を調査したアドビシステムズによると、サイバーマンデーのオンライン売上高は前年比12％増の30億ドル（約3620億円）に上ったもようだ。

　UPSとフェデックスは、悪天候と洪水の影響で多くの商品の到着がクリスマスに間に合わなかった2013年の二の舞にならないことを望んでいる。カート・サーモンの調べでは、その年は直前に注文された商品の15％の到着が遅れた。

　今年はオンラインで注文した商品を店舗で受け取る選択肢も人気で、この方法を提供している小売業者は前年比で35％増加した。ただ、カート・サーモンによると予定日時に商品が準備ができていないなど、約6割に何らかの問題が生じた。

　小売業者はクリスマス直前まで積極的な販促活動を展開するため、発送がクリスマス直前となる場合もある。UPSとフェデックスの配送網が能力いっぱいで稼働していれば、到着はさらに遅れかねない。

　オズバーン氏は「1?2日の余裕を持って注文すべきだろう。あまり時間をかけたくなければオンラインで購入して店舗で受け取るのも、これまでより良い選択肢になっている」と話した。

2015年 12月15日
参照THE WALL　STREET　JOURNAL