SAPジャパンは5月9日、データベース事業に関する戦略説明会を開催した。インメモリデータベースソフトウェア製品「SAP HANA」と、昨年夏に買収完了したSybaseのデータベース製品群を組み合わせた新たなデータベース基盤を武器に、データベース市場に本格参入していく。
「ビッグデータの時代と言われるが、今やデータベースそのものが巨大で複雑化している。データベースをいかに簡素化して、リアルタイム経営を実現していくかが重要だ」
SAPジャパンの安斎富太郎社長はこう意気込む。「標準化」と「簡素化」――。これは独SAPが40年前の創業以来から掲げるキーワードであり、Sybaseとの経営統合によってデータベース事業を成長させていく上でも不可欠な取り組みであるという。
それに向けて、SAPジャパンは2012年4月1日付で、データベース・テクノロジー営業統括本部を設立。これは同社におけるHANAおよびテクノロジーの営業部門と、サイベースおよび、その子会社でモバイルと組込型のデータベース事業を展開してきたアイエニウェア・ソリューションズの営業部門を統合した新チームである。安斎社長の直下にある組織で、同統括本部長はサイベース社長の早川典之氏が兼任する。なお現在、SAPとSybaseは別会社だが、今回の営業部門の一体化を皮切りに、グローバルでは7月を目途にサービスやサポートといったバックヤード部門を統合し、将来的にはすべてを経営統合するという。「まずはデータベース製品の統合を進めていき、シナジー効果で売り上げを伸ばしていく」と安斎氏は述べる。
具体的な製品として、ERPを含むSAPの業務アプリケーションスイート「SAP Business Suite」やミドルウェア「NetWeaver」を、Sybaseのデータベース管理システム「Sybase Adaptive Server Enterprise(ASE)」に搭載する「SAP Business Suite & NetWeaver on SAP Sybase ASE」を4月から一般提供開始する。加えて、ASEやカラム型データベース「Sybase IQ」、モバイル用データベース「Sybase SQL Anywhere」、リアルタイムデータ分析システム「Sybase Aleri Event Stream Processor(ESP)」などのデータベース製品群をすべてHANAのプラットフォームに実装し、データベースの統合基盤としていく。
「これまで企業は個々のデータベース製品を用途別に購入していたが、今後はHANAという基盤に一元化して、その上でいろいろなデータベース(コンポーネント)の選択肢を持つことができる」と早川氏は強調する。
性能や機能面では、HANAとSybaseのデータベースを組み合わせることで、ユーザーはどのようなメリットを享受できるのか。例えば、HANAとSQL Anywhereでは、高度なデータ同期機能によっていつでもどこでもリアルタイム検索が可能になる。HANAとIQでは、大規模なデータウェアハウスに対してもインメモリコンピューティング技術を活用できるようになる。
そのほか、SAPジャパンでは、データベース事業の推進に向けて、グロバールで約270億円規模のSAPデータベース採用支援ファンドを創設した。これは既存のデータベースを根本的にリプレイスしたいという企業に対して移行時の支援などを行う。また、アプリケーション開発などのスタートアップ企業に対してHANAを提供するファンド(約125億円規模)を創設した。
2012年 5月9日
参照Itmedia
SAPジャパン
ヨーロッパで最大級のソフトウェア会社。SAPは世界で第3位のソフトウェア企業であり、その上にはマイクロソフト、オラクルが並んでいる。特に大企業向けのエンタープライズソフトウェア市場においては圧倒的なシェアを持っている。SAPの製品は、ERPに代表されるビジネスアプリケーション群で、最も有名な製品はSAP R/3というERP製品。SAPのシステムは、企業における会計システム、物流システム、販売システム、人事システムなどからなっており、それぞれがデータ的に一元化されているため、リアルタイムな分析が可能となっている。上記で挙げた業務システム(基幹システム)以外にも、CRM、SCM、PLMといった分野にもソリューションを提供していたり、大企業向けのシステムから中堅中小企業をターゲットにしたソリューションを提供してきている。
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