2013年はクラウド・インフラへの攻撃が増大――セキュリティ・ベンダーが予想

企業や消費者を狙う従来型のセキュリティ脅威はすぐにはなくならないだろうが、2013年は、仮想化されたクラウド・インフラへの攻撃が横行する可能性がある。
　これはオランダのセキュリティ・ベンダー、AVG Technologiesのオーストラリア法人でセキュリティ・アドバイザーを努めるマイケル・マッキノン（Michael McKinnon）氏が予想する今年の大きな動きだ。同氏は、仮想化されたクラウド・インフラに対する攻撃によって、パブリック・クラウド・サービスの危険が露出されることを危惧している。
　「Dropbox、SkyDrive、Amazon Cloud Drive、Google Driveといった有名なクラウド・システムは、マルウェア攻撃を受けていると伝えられている」とマッキノン氏。
　「こうしたシステムを標的にしたDoS（サービス妨害）攻撃や、DDoS（分散型サービス妨害）攻撃が増えるだろう」（同氏）
　人々の生活にオンライン・サービスがますます浸透してきている中、サイバー犯罪者がユーザーの個人データを使って利益を得ようとしていることから、プライバシーの脅威が増大するだろうと、マッキノン氏は予想している。
　「企業や消費者が日常的に利用するクラウド・サービスを狙った攻撃が増えるだろう。これらの攻撃は、サービスを途絶させ、個人データや金融データを盗む目的で行われる」（同氏）
　マッキノン氏は、サイバー犯罪者がユーザー・データの悪用を狙うだけでなく、正規の企業が利益の最大化を目的に、ユーザーに無断で個人データを利用するおそれもあると警告している。
　「広告主がユーザーの承諾を一切得ずに、ブラウザやソーシャル・メディアの追跡、位置データを利用して個々のユーザーを特定し、ターゲット広告を配信する可能性がある」（同氏）
　さらに、AVGは、Windows 8は発売されてまだ間もないが、ハッカーが近いうちにWindows 8を狙った攻撃を本格的に仕掛けるようになると予想している。
　「Windows 8の普及が着実に進んでいることを受け、ハッカーは新しい脆弱性を見つけ、新しいスタイルのマルウェアや詐欺ウェアを開発し、新しい概念実証エクスプロイトを公開するだろう」（マッキノン氏）
　また、サイバー犯罪者の間で、「Blackhole」のようなエクスプロイト・キットが広く使われるようになっていることから、Webサイトに不正コードを仕込み、サイト訪問者のPCをマルウェアに感染させようとする攻撃も増える見通しだ。
　一方、モバイル分野では、Androidデバイスに対する攻撃がさらに巧妙になり、Android 4.2（Jelly Bean）で強化されたセキュリティ機能を回避するため、ハッカーがポリモーフィック・コードを使うようになるとAVGでは予想している。

2013年 1月23日
参照Computerworld

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