日本ＩＢＭなど、膨大な実験データ蓄積−Ｘ線施設にストレージ

日本ＩＢＭとアルゴグラフィックスは理化学研究所放射光科学総合研究センターと高輝度光科学研究センター（ＪＡＳＲＩ）が共同で運用するＸ線自由電子レーザー（ＸＦＥＬ）施設ＳＡＣＬＡ（さくら）向けに膨大な実験データを蓄積するストレージ（外部記憶装置）システムを納入した。

　新システムは科学技術計算に最適化した「インテリジェント・クラスター・ソリューション」と、ＩＢＭの分散共有ファイルシステム「ＧＰＦＳ」を適用したディスクストレージとテープストレージで構築した。ディスクは約１ペタバイト、テープは約６ペタバイトの構成。２１ペタバイト以上に拡張できる。従来システムは約２週間分のデータしか保存できなかったが、新システムでは約３年間分のデータを保存できる。

　ディスク上のデータはストレージ管理ソフトによって、アクセス頻度など任意の条件に基づいてテープとの間で階層管理する。膨大なデータを確実に管理しながら、必要な時に必要な時点のデータを解析に活用できる。消費電力は従来比９割以上削減した。

　ＳＡＣＬＡは原子や分子の動きをＸ線レーザーで瞬間的に捉え、瞬時に起きる物理化学現象を観察でき、難病解明や新薬開発などに役立つ。測定結果は２次元の画像データとして生成され、その量は最大で毎秒約６００メガバイト、一日で約５０テラバイトに達する。

2013年 8月5日
参照朝日新聞

日本IBM

日本IBMは外資系の100%子会社で、創立は戦前の1937年、多数の日本人従業員を抱え、国内企業との合弁を含む多数の関連会社を展開している。現在ではIBMは世界レベルでもサービス事業の比率が売上の6割となったが、そのベースとなった。SI（システムインテグレーション）事業は、日本IBMが先行していた分野とされる。コンサルティングサービスについては、豊富な実績を基盤に、世界のIBMグループと密接な連携をとりグローバルベースでの連携し、分断されたサービスではなく、ビジネスコンサルティングからシステム構築、業務アウトソーシングまで一貫したサービスをグループとして提供している。

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