株式会社NTTデータは、OSS統合運用ソフトとして公開している「Hinemos?」(以下「Hinemos」)において、パブリッククラウドサービスのBizホスティングCloudn(NTTコミュニケーションズ、以下「Cloudn」)を使ったシステムを容易に管理できるHinemos クラウド管理オプション Standard for Cloudn(以下「クラウド管理オプション Standard for Cloudn」)の提供を4月23日より開始します。
本オプションを利用することで、拡張性の高いパブリッククラウドサービスである、Cloudn上でのサーバーリソース・構成の変化に自動的に追随し、容易にシステム監視やジョブ実行が可能となるほか、システムの稼働状況をもとにした需要分析からサーバー増設やバックアップ管理まで、システムライフサイクルの一元的な制御を可能とし、クラウド環境に関わる運用コストの削減が図れます。
また、プライベートクラウドサービスのBizホスティングEnterprise Cloud(NTTコミュニケーションズ、以下「BHEC」)をCloudnと組み合わせたハイブリッドクラウド環境も容易に管理できるようになり、クラウド環境の組み合わせによらない一元的な運用管理が実現できます。
背景と概要
昨今、システム基盤の選択にあたっては、拡張の容易性からパブリッククラウド環境を利用することが一般的になりつつあり、各クラウド事業者は、機能や規模を拡大しています。一方で、パブリッククラウド環境におけるセキュリティーの確保の難しさや、法律的な制約などから、全てをパブリッククラウド上で実現するのではなく、オンプレミス環境やプライベートクラウド環境と組み合わせて使う、ハイブリッドクラウド環境となるケースも少なくありません。こうしたハイブリッドクラウド環境においては、それぞれ異なる管理が必要であり、一元的に管理するニーズがあります。また、管理機能の一層の充実など、運用の利便性向上が求められています。
今回、Hinemos クラウド管理オプションはCloudnに対応し、国産クラウドであるCloudnを利用したハイブリッドクラウド環境のシステムを、一元的に運用管理できるようになりました。
クラウド管理オプション Standard for Cloudnの主な機能・特長
クラウド管理オプション Standard for Cloudnは、Hinemosが標準で持つ監視・ジョブ管理機能に加え、パブリッククラウドサービスであるCloudn上に構築したシステムを、より効率的に管理するためのオプション製品です。効率化を実現するための主な機能は以下の通りです。
1.サーバーリソース・構成変化への自動的な追随
クラウド管理オプションv2.0 Standard for Cloudnを導入することで、Cloudn上に新しいコンピュートリソースが作成されると、Hinemosはそれを自動的に検知し、即座に管理対象として登録します。必要に応じて新規に追加されたリソースに対して自動的に監視やジョブを実行することも可能です。
2.クラウド特有なオペレーションの実現
クラウド管理オプションv2.0 Standard for Cloudnを導入することで、Cloudn上のコンピュートリソースの起動や停止、バックアップといったクラウド特有な操作を、Hinemosから実行可能になります。これにより、システムの運用管理をHinemosだけで完結することが可能となります。
ハイブリッドクラウドを一元管理
クラウド管理オプションを利用することで、HinemosからCloudn(パブリッククラウド)・BHEC(プライベートクラウド)を組み合わせたハイブリッドクラウド上のシステムを一元的に運用管理可能になります。
Hinemosが従来からもつ監視・ジョブ管理機能により、BHEC・Cloudn上のシステムを監視・ジョブ運用を行い、加えてクラウド管理オプションにより、動的にリソース変更を行うことが多いCloudn上の構成変更に自動的に追随し、Cloudn特有の操作を実現します。
従来であればCloudn、BHECそれぞれの環境ごとに運用コンソールを用意する必要がありましたが、Hinemosとクラウド管理オプションを利用することで、運用コンソールはHinemosに統一することができるようになり、さらには個々のクラウドの特性を生かしつつ、ハイブリッドクラウド環境を統合的に管理することが可能になります。
Cloudn・BHECをHinemosの動作確認クラウドへ
Cloudn、BHEC環境上で、Hinemosが動作する要件を満たしていることを確認しました。これによって、拡張性の高いCloudn、堅牢かつリソースの安定確保が可能なBHEC、どちらを利用した場合であっても、ユーザーは安心してHinemosを用いた運用管理環境を構築することができます。
ラインナップ
Hinemos クラウド管理オプションは、多様なクラウドサービスに対して製品を提供します。
クラウド管理オプション v2.0 for Cloudn
Standard版
提供時期:2014年4月23日(水)
提供方法:SourceForgeにて無償公開
Enterprise版
提供時期:調整中
クラウド管理オプションv2.0 for AWS
Standard版
提供時期:提供中
提供方法:SourceForgeにて無償公開
Enterprise版
提供時期:提供中
提供方法:Hinemosパートナー企業からの提供
また、今後NTTグループのディメンションデータが提供するMCP(Managed Cloud Platform)にも対応を予定しています。
Hinemos クラウド管理オプションのご紹介(外部リンク)
今後について
NTTデータでは、Hinemos クラウド管理オプションを、お客さまにとって最適なクラウド基盤を選定し複数のクラウド基盤の統合管理・運用をサポートするNTTデータのクラウドブローカーサービスの中でも、主力の運用管理基盤ツールとして積極的に活用していきます。
また、今後もHinemosパートナー各社とともに仮想化やクラウドなどの先進的なIT技術を利用する際に求められる運用要件への迅速な対応と、さらなる運用コスト低減につながるHinemosの機能・ソリューションを開発、提供していきます。
Hinemosパートナープログラムおよびオプションの提供、そしてNTTデータが提供するクラウド基盤を含め、より一層のHinemosの普及を図ることで、年間10億円の売り上げを目指します。
エンドースメント
NTTコミュニケーションズ株式会社
NTTコミュニケーションズが提供する企業の基幹システムなどに最適なエンタープライズクラウド「Bizホスティング Enterprise Cloud」と、高信頼で低価格なパブリッククラウドサービス「Bizホスティング Cloudn」とのハイブリッドクラウド環境を一元管理できるNTTデータの「Hinemos クラウド管理オプション for Cloudn」を組み合わせることで、お客さまにとって、より安心・安全で利便性の高いクラウド環境をご提供できると確信しております。
NTTコミュニケーションズはこれからも品質と利便性に優れたICT環境をお客さまにご提供するために、NTTデータとの連携を推進して参ります。
NTTコミュニケーションズ株式会社
クラウドサービス部 部門長
関 洋介
2014年 4月23日
参照nttdata.com
NTTデータ
データ通信やシステム構築事業を行っている日本のシステムインテグレータ。情報サービス事業では業界最大手であり、2007年3月期決算において、国内SI事業者としては初の売上高1兆円を突破している。グローバル展開にも視野にいれ、公共分野を始めとする国内市場の成長鈍化に対し、海外ITサービス企業へのM&Aを基本とした成長戦略を軸に据えている。国内においてもシステム開発などSIから脱却し、ITソリューションの拡充とグループ会社を横断したサービス提供を経営目標としている。
NTTデータについて
IT業界、コンサルティング業界の最新ニュースをお伝えします。最先端の業界で何がどう動いているのかをWatchすることで、広くビジネス界全体の今後の動きを展望することができるはずです。