ＮＴＴデータ、５年以内に北米売上高３０億ドル狙う−大型受注軸に攻勢

ＮＴＴデータは北米事業の売上高を５年以内に３０億ドル（３２７０億円、２０１４年度比７６％増）に引き上げる。世界各国で外食チェーンを展開するヤム　ブランズ（ケンタッキー州）やテキサス州交通局など、新たに獲得した大型顧客からの受注実績を水平展開する。業務システムのクラウド移行や独ＳＡＰ製の統合業務パッケージ（ＥＲＰ）導入など、既存事業の拡大も進める。ＩＴサービスの“本場”である北米市場でのプレゼンス（認知度）向上をてこに、グローバル展開の加速を図る。

　ＮＴＴデータは１０年に米キーン（現ＮＴＴデータ・インク）を子会社化して北米市場に本格参入。１２年には複数の現地子会社を統合し、ＮＴＴデータ・インクを発足させた。旧キーンの技術力に加え、ＮＴＴデータの傘下入りと子会社統合により事業規模が拡大。大型案件を受ける体力が備わったことで、受注機会が増えているという。　　直近獲得した大型案件では、ヤム　ブランズからは財務や総務、人事などの管理業務のアウトソーシング業務を受注。米国以外の地域でのアウトソーシング拡大が見込める。一方、テキサス州交通局からは業務システムの開発・保守を中心に幅広い業務のサポートを請け負っており、今後は他の州政府への横展開も期待できる。このほか既存の大手顧客でも、ＮＴＴデータやＮＴＴグループの拠点網を生かし、北米以外の地域を含めて地域的な広がりを持つ受注獲得を進める。

　ＮＴＴデータの海外事業では北米市場が最大規模で利益貢献も大きい。海外事業の安定化のためにも、北米市場で盤石の地位を築く構えだ。

2014年 9月29日
参照朝日新聞DIGITAL

NTTデータ

データ通信やシステム構築事業を行っている日本のシステムインテグレータ。情報サービス事業では業界最大手であり、2007年3月期決算において、国内SI事業者としては初の売上高1兆円を突破している。グローバル展開にも視野にいれ、公共分野を始めとする国内市場の成長鈍化に対し、海外ITサービス企業へのM&Aを基本とした成長戦略を軸に据えている。国内においてもシステム開発などSIから脱却し、ITソリューションの拡充とグループ会社を横断したサービス提供を経営目標としている。

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